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平屋住宅のメリット・デメリットを徹底解説!後悔しないためのチェックポイントを解説します

平屋住宅は、近年多くの注目を集めています。以前までは「高齢者のための住宅」と思われていましたが、動線の良さや安全性など、家族の暮らしやすさを重視した特徴にあり、その魅力は若い世代にまで広まっています。

その一方で、敷地の広さや建築コストといった懸念点も平屋住宅にはあります。今回は平屋住宅を検討されている方に向けて、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。あわせて、後悔しないためのチェックポイントを5つご紹介します。

こちらの記事で掲載している住宅の画像はすべてアオイノハコがデザインいたしました。気になるデザインがございましたらお気軽にご相談ください。

平屋とは?

平屋とは、1階建ての住宅を指します。階段を必要としない構造のため、生活空間がフラットに広がっていることが特徴です。

江戸時代から昭和の初期にかけて、日本では平屋住宅が主流でした。その後、近代化が進むにつれて、都市部に人口が集中し、狭い土地でも多くの住宅を建てるために二階建てや三階建ての住宅が広まっていきました。

平屋住宅は、一般的に家族全員が同じ階で生活するため、家族間のコミュニケーションが取りやすい住まいとされています。また土地の広さや建築コスト、デザインの自由度に応じてさまざまな形態が存在します。

洗練されたおしゃれな平屋住宅が増えたことによって、ここ数年、人気が再燃しています。

平屋のメリット5選

ここからは平屋住宅のメリットを5つ、解説していきます。

1. 家族のつながりが深まる

平屋住宅では、家族全員が同じ階で生活するため、自然と顔を合わせる機会が増えます。これにより、コミュニケーションが活発になり、家族の絆が深まります。特にリビングやダイニングを広めに設けることで、家族全員が集まりやすい空間が実現します。

2. バリアフリーで安全性が高い

階段がないため、高齢者や小さな子ども、ペットがいる家庭でも安心して暮らせます。将来の介護を見据えた場合にも適しているといえるでしょう。

また、車椅子の利用を考慮した広めの廊下や扉を設けることで、介助者にとっても快適な暮らしが実現します。

3. 動線がスムーズ

生活空間が1フロアにまとまっているため、家事や移動がスムーズに行えます。キッチンからリビング、寝室への移動が短時間で済むため、効率的です。

例えば、洗濯物を干すために二階に移動するといった手間がありません。動線の効率化により、家事負担が軽減され、毎日の生活が快適になります。

4. メンテナンスがしやすい

平屋住宅のメリット

高い場所が少ないため、掃除や修繕作業が比較的容易です。屋根の点検や外壁の手入れも安全に行えます。さらに、1階建てであることで足場の設置が簡単になり、修理費用の軽減にもつながります。

5. 地震や暴風の揺れに強い

地震や暴風の揺れに強い平屋

平屋は建物全体の重心が低いため、地震や暴風に対する安定性が高いという特徴があります。特に、地震の際には揺れが軽減されやすく、倒壊のリスクを抑えることが可能です。

同様に、重心が低いことで強風による被害を受けにくい設計になっています。これにより、災害に対する安心感を得ることができるでしょう。

平屋のデメリット5選

つぎに平屋のデメリットを5つ、ご紹介します。

1. 広い敷地が必要

平屋を建てるには、一定の敷地面積が必要です。都市部では土地が高価なため、選択肢が限られる場合があります。

特に住宅地では隣接する建物との距離を確保する必要があり、思うような間取りが実現できないこともあります。土地が広くなるにつれ、固定資産税も高くなっていくこともデメリットとなります。

2. 建築コストが高い

同じ床面積でも、2階建て住宅と比べて基礎や屋根の面積が大きくなるため、建築費が高くなる傾向にあります。特に基礎工事はコストがかかる傾向があります。

また、平屋特有の開放感を出すための設計には、追加のコストが発生することがあります。これらを考慮した上で予算を計画することが大切です。

3. プライバシーの確保が難しい

窓や庭が近隣と接する場合、プライバシーの確保が課題になることがあります。すべての部屋が一階にあるため、外部から侵入されやすいともいえます。

周囲の視線を遮るためのフェンスや植栽の設置などで工夫しましょう。窓の位置や高さを工夫することで、視線を気にせず快適に過ごせる住まいを実現できます。

4. 床上浸水のリスク

平屋は建物全体が地面に近いため、大雨や台風の際に床上浸水のリスクが高まる可能性があります。特に、水はけの悪い土地や、周囲に排水設備が不十分な地域では注意が必要です。

行政が提供しているハザードマップを確認しましょう。建設前に土地の排水状況を確認し、必要に応じて地盤を高くする対策を取ることが重要です。さらに、排水溝や側溝の清掃を定期的に行うことで、浸水リスクを軽減できます。

5. 日当たりや通風の確保が難しい

1階部分しかないため、建物の配置や間取りによっては日当たりや風通しが悪くなることがあります。庭や窓の配置を工夫し、十分な採光や風の流れを確保することが大切です。この場合、中庭をつくることによって対策ができます。

後悔しないためのポイント5選

平屋のおしゃれなデザイン

1. 敷地選びを慎重に

平屋を建てるには、十分な敷地面積が必要です。周囲の環境や土地の形状を考慮し、理想の住まいを実現できる土地を選びましょう。

特に傾斜地や狭小地の場合、建築に制約が生じることがあります。平屋住宅では、土地選びがとても重要です。早い段階で専門家に相談することをおすすめします。

2. 動線をしっかり計画する

平屋の最大の魅力は、スムーズな動線です。家事や生活が効率的に行えるよう、間取りを工夫することが重要です。

例えば、キッチンから洗濯機までの距離やリビングと寝室の配置など、生活の流れをシミュレーションして設計を進めましょう。

3. プライバシー対策を考える

平屋のプライバシー対策

周囲からの視線を遮るため、植栽やフェンスを活用するのがおすすめです。また、窓の配置にも工夫を凝らしましょう。庭を囲むような設計にすることで、外部の視線を遮りながら、開放的な空間を楽しむことができます。

外部だけでなく、家族同士のプライバシーを守ることも見落としてはなりません。平屋住宅は階で生活ゾーンを分けることができません。

寝室や個室、バス・トイレなどの位置が、家族の誰かにとって居心地の悪い間取りになることを避けましょう。

4. 断熱性と通風性を高める

平屋は1階部分しかないため、屋根からの熱が伝わりやすい、地面からの冷気が伝わりやすいといった特徴があります。そのため夏は暑く、冬は寒くなる可能性があります。断熱材や通風の工夫で快適な住まいを実現しましょう。

高性能な窓ガラスや断熱材の採用、風の通り道を意識した間取り設計が効果的です。

5. 将来の変化に対応できる設計

家族構成の変化やライフスタイルの変化に柔軟に対応できるよう、間取りや収納スペースを工夫しましょう。

例えば、可動式の仕切り棚や多目的に使えるスペースを取り入れることで、住まいの柔軟性を高めることができます。

まとめ

コンパクトな平屋

平屋住宅には、家族のつながりや安全性、デザイン性など、多くの魅力があります。一方で、敷地の広さや建築コスト、床上浸水のリスクといった課題も存在します。

後悔しないためには、敷地選びや間取り計画、プライバシー対策、断熱性の確保などを入念に行うことが大切です。平屋のメリットとデメリットを正しく理解し、自分たちに合った住まいを選びましょう。