近年、古民家を再生するリノベーションが注目を集めています。歴史を感じる外装や梁を残しつつ、現代の暮らしやすさを取り入れることで、唯一無二の住まいを実現できる点が大きな魅力です。
ただし、古い建物ならではの課題も多いため、しっかりした準備が不可欠です。今回は古民家リノベーションの流れと注意ポイントをまとめて紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
なお、アオイノハコでは古民家をリノベーションした洋菓子とパンのお店を運営しております、モデルハウスとして見学も可能となっておりますのでぜひお気軽にお問い合わせください。
古民家リノベーションとは? 新築とちがう魅力
古民家とは、築年数が長い日本家屋を指すことが多く、伝統的な構造や天然木材が使われているのが特徴です。
リノベーションとは、建物の間取りや設備を大きく変え、機能面やデザイン面を向上させる工事です。
古民家ならではの存在感や暖かみを残しながら、水回りや断熱、耐震などを現代仕様に改善することで、快適な生活空間を作り上げることができます。古民家は新築にはない魅力があり、リノベーションして暮らすというスタイルが近年人気を呼んでいます。
古民家リノベーションの主なメリット
- 重厚感ある梁や柱をそのまま活かすことで、唯一無二の風合いが生まれる
- 古材や和の雰囲気を取り入れると、落ち着いた空間を演出できる
- 固定資産税の軽減や、自治体の補助金などが見込める
古民家リノベーションの主なデメリット
- 木材の腐食やシロアリ被害などが見つかりやすく、追加費用が発生しがち
- 耐震工事や断熱改修が必要になることが多い
- 住める状態になるまでに期間がかかる可能性がある
古民家リノベーションの全体の流れ
古民家リノベーションは、まず建物の現状把握から始まり、各ステップで専門家との綿密なやり取りが不可欠です。以下は主な工程の一覧です。
工程 | ポイント |
1. 古民家を探す | 希望エリアや予算、周辺環境をチェック |
2. 再生できるか調査 | 建物の劣化や耐震性、シロアリ被害を専門家に確認 |
3. 再生計画の検討 | どこを残すか、どこを改修するかを決定 |
4. 資金計画の検討 | 追加工事を想定した上で資金の余裕を持たせる |
5. 基本設計 | 工務店や設計事務所と間取り・設備を相談 |
6. 工事費の見積もり | 見積もり内容をよく検討し、不明点を解消しておく |
7. 工事費の決定 | 契約前に工事内容や保証範囲をしっかり確認 |
8. 工事開始 | 解体後に新たな問題が発見されやすい点に注意 |
9. 工事完了 | 仕上がりの最終チェックを行う |
10. 工事後の調査 | 不具合やメンテナンスの必要性を確認 |
11. 引っ越し | 新生活のスタート。気になる点は早めに相談 |
1. 古民家を探す
まずは、理想に近い古民家を探すところから始まります。不動産会社や空き家バンク、地域の情報サイトなどを活用すると、思わぬ掘り出し物が見つかるかもしれません。築年数や立地条件、周辺環境をチェックし、自分の暮らし方に合った物件を選びましょう。
アオイノハコでは空き物件探しからお家づくりをサポートしております。リノベーションを前提とした古民家リノベーションでは特に初期段階から信頼できるリフォーム会社を探して、連携しながら進めて行くことが重要です。ぜひ私たちにお気軽にご相談ください。
2. 再生できるか調査
物件が決まったら、専門家に建物を調査してもらいます。柱や基礎の状況、シロアリや雨漏りなどの有無を確認し、修繕や補強が可能かどうかを見極めます。
ここで想定外の費用が発生する場合もあるため、しっかりと検討することが大切です。 これらの調査は、調査を専門職とした古民家鑑定士や、鑑定ができる不動産会社や工務店に依頼することができます。もちろん私たちにもお気軽にご相談ください。
3. 再生計画の検討
調査により建物の状態が判明したら、どの部分を活かし、どの部分を新しくするかを話し合います。生活動線を意識して間取りを変更するなど、細かい要望をまとめながら、耐震・断熱・水回りの改修を検討します。
この際、古い梁や床材を上手に残すことで、古民家ならではの雰囲気を楽しめます。アオイノハコの運営する「あおい」では、元々玄関だった内装を残して、ショーケースを置くなどし、店舗にしています。
4. 資金計画の検討
古民家リノベーションは、新築よりも費用が読みづらい面があります。建物購入費用や解体費、追加工事が出るかもしれないことを考慮し、余裕を持った予算を組みましょう。
助成金や補助金が受けられるかどうかも、事前に調べましょう。
5. 基本設計
工務店や設計事務所と具体的なプランを立てます。間取りの変更、使用する素材、設備の選定など、最終的な完成イメージを共有しながら設計を進めます。
この際、あらかじめ優先順位を決めておくと、フォーカスすべき点が明確となり、不要なコストを抑えられます。
6. 工事費の見積もり
基本設計がまとまったら、詳細な工事費用の見積もりをとります。工事内容や金額に不明点がないよう、業者に必ず確認してください。
材料費や設備費、人件費、諸経費の内訳を細かく把握し、疑問点は早めにクリアにすることが大切です。納得のいく回答が得られない場合、後々のトラブルにつながる可能性があるため、慎重に検討しましょう。
7. 工事費の決定
納得できる提案を選んだら、契約前に工事範囲や保証内容、支払いスケジュールを明確にしましょう。追加工事が発生した場合の費用負担や連絡のタイミングなど、対応方法を詳しく決めておくことも重要です。
あいまいな部分を残すと後からトラブルになる可能性があるため、すべて納得できる説明を受けてからサインするようにしましょう。
8. 工事開始
解体から補強・改修までの工事がスタートします。古民家は解体中に新たな問題が見つかりやすいので、追加費用や工期の延長を想定しておくことが大切です。
工事の進捗に影響しない程度に現場を訪問し、疑問があればすぐに施工業者に質問しましょう。現場訪問の手順を、事前に依頼先に確認しておくとスムーズです。
9. 工事完了
内外装や設備の取り付けを終え、最終チェックを行います。 壁の仕上がりやドアの開閉、設備の動作などをしっかり確認し、問題があれば手直しを依頼してください。
10. 工事後の調査
古民家はもともとの構造が古いので、完成後の定期メンテナンスが重要です。完成後の定期メンテナンスのスケジュールも確認しておきましょう。シロアリ対策や耐震性のチェックを続けることで、安心して住み続けられます。
11. 引っ越し
すべて完了したら、引っ越しをして新生活のスタートです。住みながら細かい部分が気になれば、施工を依頼した工務店などに相談されることをおすすめします。このような観点からも長期で付き合ってくれる地元の工務店などがおすすめです。
古民家リノベーションを失敗しないための注意ポイント
耐震性や安全性も優先する
古民家は、築年数が経過した建物ほど、耐震補強は欠かせません。また、柱や梁の腐食、シロアリ被害がある場合は徹底した対策が必要です。見た目やコストだけではなく「長期で住むこと」を重視した施工やプランを提案してくれる業者を選ぶと安心です。
予算とスケジュールに余裕を持つ
想定外の解体や補修が発生する可能性が高いのが古民家リノベーションです。資金計画では常に予備費を用意し、焦らず対応できる体制を整えましょう。新築に比べ、古民家リノベーションはスケジュールの遅延が発生しやすいことも考慮しておきましょう。
プロとのこまめな連携
古民家は、予想外のところで不備や構造上の問題が見つかることもりあり、現場での判断が求められるケースが多いため、施工業者や設計士と定期的に打ち合わせをすることが重要です。疑問や変更点があれば早めに共有し、スムーズに工事を進めましょう。
古民家リノベーションと専門家の強み
注文住宅を扱う工務店や建築事務所は、新築だけでなく古い建物の構造や耐震に関する知識も豊富です。
古民家は解体や補強、追加工事が発生しやすい複雑な工事ですが、設計から施工、アフターサポートまで一貫して対応できる専門家に依頼すれば安心感が高まります。 直接やりとりを重ねることで、費用を抑えながら希望に合ったプランを実現しやすくなり、完成後のメンテナンスや不具合にもスムーズに対処してもらえます。
私たちアオイノハコは地域密着型の総合ハウスメーカーとしてこれらのご相談から施工まで手厚く対応させていただきます。まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
古民家リノベーションは、歴史ある建物の趣を残しつつ、現代の生活に合った快適さを手に入れられる魅力的な方法です。 一方で、解体や耐震補強などの予想外の工程が増えやすいため、入念な計画と余裕をもった予算管理が重要になります。
完成まで 流れを理解し、工務店や専門家と連携しながら進めていきましょう。 検討中の方は、まずは信頼できる依頼先に相談し、理想とする古民家での暮らしや、リノベーションの可能性を確認してみてください。もちろん私たちにもお気軽にご相談いただけますと幸いです。