注文住宅を建てる際、まずは、予算と価格の相場を知っておくことが重要です。注文住宅は、自分の理想の家作りをとことん追求できるのが大きな魅力といえます。とはいえ、実際に予算が限られているのなら、予算内でベストなプランを選びたいですよね。
そこで今回は、注文住宅の相場はどれぐらいか、予算ごとにどんな内容を実現できるかといったことを、詳しく解説します。
注文住宅の一般的な相場は?
まずは、注文住宅の一般的な相場について、実際のデータを参考にしながら具体的に見ていきましょう。
令和4年度の注文住宅の価格相場(首都圏)
国土交通省の令和5年度住宅経済関連データによると、令和4年度の首都圏での住宅市場動向調査において、注文住宅の平均相場は以下のとおりとなっています。
令和4年度 | 平成25年度 | |
建築費(万円) | 5,050 | 2,951 |
延床面積(㎡) | 143.4 | 120.9 |
建設費坪単価(万円) | 35.2 | 24.4 |
9年前の平成25年当時と比較すると、建築費が2,000万円以上増加し、延床面積や建設費坪単価もそれぞれ比例して増加していることが分かります。注文住宅を建てるには、広い間取りで多くの予算をかける傾向があるといえるでしょう。
注文住宅の予算は「何を実現するか」次第
注文住宅の相場は、地域によって、また、注文住宅に求める内容によって大きく異なります。実際に、注文住宅の価格は、何を選択するかによって価格を大幅に下げることが可能です。予算が少ないから無理だと最初からあきらめてしまうのではなく、まずは、どれぐらいの予算でどんなことが実現できるか、よく調べてみることをおすすめします。
注文住宅でできることを予算別に紹介
ここでは、注文住宅でどんなことを実現できるか、土地取得費用を除いた予算別にご紹介します。理想の家を手に入れるためにどれぐらいの予算が必要か、参考にしてください。
1,000万円台
高価なイメージのある注文住宅も、ごくシンプルな仕様にすれば、1,000万円台の予算でも建てることができます。予算を抑えるコツは後ほど詳しくご紹介します。
なお、シンプルな仕様の家は長く暮らしていても飽きにくく、DIYやインテリアなどでコツコツと自分好みに変えていく楽しみもあります。また、掃除がしやすいといった点もメリットです。
2,000万円台
予算が2,000万円台になると、ある程度こだわりを反映した注文住宅を手に入れることが可能です。1,000万円台のパターンと比べると、制約も少なくなります。
2,000万円代の予算で注文住宅を建てる場合は、ピンポイントでこだわりを実現するとうまくいきます。たとえば、水回りの使いやすさを考えて最新設備を取り入れる、リビングの横に書斎を作るなどです。すべての希望を叶えることは難しくても、要所要所にこだわりを取り入れることで、高い満足度を得ることができます。
3,000万円台
少し余裕が出てくるのが、3,000万円台の予算を確保できるパターンです。3,000万円台の予算を確保できれば、理想の家にかなり近づけることができます。延床面積をコンパクトにし、こだわり抜いた仕様を反映させるといったことも可能です。
たとえば、屋根材や外装材などの素材も、選べるバリエーションがグンと増えます。家だけでなく、フェンスやポストなどのエクステリアなども、好みを反映した仕上がりを実現できる可能性が高くなるのが特徴です。
4,000万円以上
注文住宅の予算で4,000万円以上出せる場合は、多くの希望を反映させることができ、理想的な仕上がりに近づけることができます。実際に、さまざまなこだわりを反映させていくと、4,000万円以上になるケースが多いことからも、理想の家に向けて現実味のある予算といえます。
たとえば、低予算ではあきらめざるを得なかった、凹凸が多い形状の家や高価な素材も、問題なく選べるはずです。反対に、自由度が高い価格帯だからこそ、センスの良さが問われるともいえます。
注文住宅の予算を節約する5つのポイント
予算をかければ理想的な注文住宅を建てられるとはいえ、現実にはそう簡単にいかないものです。ここでは、注文住宅の予算を節約するポイントを5つご紹介します。
なるべくシンプルな仕様にする
なるべくシンプルな仕様にすることで、注文住宅の予算を節約できます。個性的なモデルハウスを見学したり、住宅会社からこだわりのあるプランを提案されたりすると、心が大きく動いてしまうものです。
しかし、特別な仕様を取り入れるほど、予算が跳ね上がるのも事実です。限られた予算内で、できるだけ希望する条件を満たすためにも、なるべくシンプルな仕様を選ぶことをおすすめします。
高価な素材をできるだけ使わない
注文住宅の予算を節約するには、高価な素材をできるだけ使わないようにしましょう。せっかく注文住宅を建てるのだからと、無垢材や大理石など、高価な素材を使用したくなるのも分かります。 しかし、高価な素材を使用すれば、あっさり予算をオーバーしてしまうことは否定できません。
その点、床材をクッションフロアにする、浴室のスタンダードなグレードのものにするといった工夫をすると、予算を抑えることができます。
家や屋根を単純な形にする
家や屋根は、単純な形を選びましょう。複雑な形やこだわりの形を実現すると工程が増えるため、どうしても予算がかさむものです。
家の形は、長方形もしくは正方形の総二階建てなど、凹凸が少なくシンプルなものを選びましょう。また、屋根の形は切妻屋根か片流れ屋根を選ぶと、無理なくコストダウンできます。
最低限の部屋数にする
最低限の部屋数にすることも、コストダウンにつながります。部屋数が多くなるほど、柱や壁の数が増え、その分手間もコストもかかるからです。
なお、最新のモデルハウスでも、部屋数を減らして1つの部屋の広さを確保するのがトレンドです。部屋数が少なくても、家族の存在を感じながら快適に暮らすことができるなどの点で人気があります。
ローコストで建てられる住宅会社を選ぶ
ローコストで建てられる住宅会社を選ぶと、コストパフォーマンス抜群の仕上がりを手に入れることができます。実は、同じような仕上がりの注文住宅でも、住宅会社が異なると、価格が大きく異なるものです。
これは、住宅会社ごとに、材料費や人件費などの設定価格が異なるからです。安い価格で満足度の高い注文住宅が建てられると評判の業者は、徹底した業務効率化や自社による一貫した施工などにより、無駄な費用をカットし、安い価格を実現しています。こうした住宅会社は、顧客満足度も抜群ですから、口コミなどをチェックしてみるとよいでしょう。
まとめ
注文住宅の相場は、年々上昇傾向にあり、首都圏では5,000万円以上かかることも珍しくありません。せっかく注文住宅を建てるのなら、こだわりを随所に取り入れたいと考える人が増えていることも一つの理由です。 とはいえ、1,000万円台からの予算でも、工夫をすることで満足度の高い注文住宅を建てることが可能です。
まずは、理想の家を手に入れるために、信頼できる住宅会社によく相談し、予算内でベストなプランを提案してもらいましょう。 なお、私どもアオイノハコでも、フルオーダーメイドの注文住宅を数多くお受けした実績がありますので、まずは、何なりとご相談ください。