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2024.11.13
カテゴリ: 家づくりに関する法律の話し
2025年の建築基準法改正の家づくりへの影響は?新築住宅への影響をわかりやすく解説
これから家づくりを行う方は、2025年の建築基準改正法をよく理解しておく必要があります。家づくりに欠かせない法律ですから、「よく知らなった」では済まないのも事実です。しかし、実際に2025年の建築基準改正法においてどんなポイントが変更されたのか、また、追加されたのかなど、よく分からないこともあると思います。
そこで今回は、2025年の建築基準法改正ついて、家づくりに影響する内容を中心に詳しくご紹介します。実際の家づくりにおいてどんな影響があると想定されるか、ぜひ参考にしてみてください。
建築基準法とは?
建築基準法は、昭和25年より施行されている法律で、所轄は国道交通省です。建築基準法は、国民の生命・健康・財産の保護のために、建築物の敷地・設備・構造・用途についての最低基準を定めています。
建築基準法は、その時代の実情に合わせて何度か改正されています。今後、家づくりを進める際には、2025年に改正される建築基準法の内容を踏まえることが大切です。
22025年の建築基準法改正のポイント
ここでは、2025年の建築基準法改正について、家づくりに影響すると思われるポイントをピックアップし、具体的にご紹介します。
4号特例の縮小
4号特例とは、特定の条件を満たした建物は、「建築確認」や「構造等の安全性審査」の対象から外すという制度です。2025年の建築基準法改正では、以下のように変更されます。
【建築確認】※都市計画区域内の場合
現行 | 改正後 | |
建築確認 | すべての建物が対象 | すべての建物が対象 |
構造等の安全性審査 | 階数3以上もしくは延べ面積500㎡以上 | 階数2以上または延べ面積200㎡以上 |
今後は、家の新築時にすべて新基準が適用されるため、建築確認および構造等の安全性審査の対象になるケースが増えます。なお、都市計画区域外では、現行と同様に、改正後も建築確認の必要がありません。また、構造などの安全性審査は都市計画区域内の場合と同様の基準となります。
既存住宅における高さ制限・建ぺい率・容積率の特例追加
既存住宅における高さ制限・建蔽率・容積率の特例が追加されることも、2025年の建築基準改正法のポイントといえます。この追加は、従来の建築基準法上の規定が、近年推奨されている省エネ改修の妨げにならないようにすることが主な目的です。
現行 | 改正後 |
原則として都市計画法で定められた高さ制限を超えてはいけない | 屋外に面する部分の改修工事(屋根の断熱塗装や太陽光発電パネルの設置など)によって高さ制限を超える場合は、構造上やむを得ない建築物に対して特例として許可する |
上記の特例の追加によって既存住宅をリフォームしやすくなるため、空き家問題の改善にもつながります。
既存不適格建築物における現行基準適用一部免除
2025年の建築基準改正法では、「既存不適格建築物における現行基準の一部免除」も盛り込まれます。この改正で、従来の建築基準法では接道義務に違反する建築物であっても、大規模な建て替えやリフォームが可能になります。
現行 | 改正後 |
大規模修繕や増改築工事において、既存不適格建築物は原則的に不可 | 大規模な修繕・模様替えをする場合で、市街地環境へ大きな影響を与えないと認められうケースでは、現行基準を適用しない |
既存不適格建築物とは、築古住宅など、現行の建築基準法にそぐわない建物のことです。たとえば、接道義務や道路内建築制限に違反している建物などになります。しかし、近年深刻化している空き家問題の解決や築古住宅などの省エネ化・長寿命化を促すために、既存不適格建築物における現行基準の一部免除を盛り込むことになったのです。
2025年の建築基準法改正による家づくりのメリット
2025年の建築基準法改正による家づくりのメリットには、以下のようなものがあります。
より高性能な住宅を建築できる
2025年の建築基準法改正では、高断熱・高耐震性などがより高いレベルで求められるため、高性能な住宅を建築できます。
高断熱の家は、猛暑や厳冬でも屋内で快適にすごしやすくて快適です。また、耐震性の高い家は、大きな地震が来た際にも、倒壊や破損のリスクが少なく、安心して屋内で過ごせます。在宅時間が長い人ほど、今回の改正によって得られるメリットが大きいといえるでしょう。
建物の資産価値が向上する
2025年の建築基準法改正により、高性能・高機能・高耐久性の家づくりを行った結果、建物の資産価値が向上することも大きなメリットです。建築後の建物を賃貸や売却に出す際に、有利な条件で取り引きを進めることができます。
高性能・高機能・高耐久性という特徴を持つ家は、多くの人から住んでみたい、手に入れたいと考えてもらいやすいからです。そのため、賃貸物件では空き家リスクが低く、また、売却に出した場合でもすぐに買い手が見つかりやすいといえます。
設計ミスや施工ミスが減る
設計ミスや施工ミスなどが減るのも、2025年の建築基準法改正による家づくりのメリットといえます。たとえば、4号特例の縮小によって、新築時やリフォーム時に建築確認および構造等の安全性審査となる建物が増加するからです。
今までは、構造等の安全性審査の対象は、階数3以上か延べ面積500㎡以上でした。しかし、今後は、階数2以上または延べ面積200㎡以上となります。つまり、新たに構造等の安全性審査の対象となる建物が増えることから、より丁寧な設計・施行につながるといえるのです。
2025年の建築基準法改正による家づくりのデメリット
一方で、2025年の建築基準法改正では、家づくりの際に以下のようなデメリットがあります。
建築費用が増加する可能性がある
2025年の建築基準法改正によって、建築費用が増加する可能性があります。今回の改正では、建物に対して、高機能・高性能および耐久性の高さを求めるようになったからです。
今後は、建築・リフォームする際に、より高性能・高機能で耐久性が高い素材を選ぶ必要があることから、建材の価格が上昇します。そのほかにも、建築時の工数が増えることが明らかなことも、建築費用が増加する理由です。
建物が完成するまでの工期が長くなる
建物が完成するまでの工期が長くなるのも、2025年の建築基準法改正によるデメリットの一つといえます。新たな申請書類の作成や手続きに必要な期間を上乗せする必要があるからです。
従来の工期を目安に家づくりをしようとすると、工程ごとの設定スケジュールが大変タイトになり、思わぬミスやトラブルにつながる恐れがあります。今後は、より余裕を持った工期を見ることになるため、特定の日までに家づくりを完成させたい場合は、早めに動くようにしましょう。
まとめ
2025年の建築基準法改正では、さまざまな規制が緩和されたり変更されたりしています。これからの家づくりでは、緩和・変更された点をきちんと理解し、適合させることが必要です。そのためにも、信頼できる住宅会社によく相談して進めていくことをおすすめします。
なお、私どもアオイノハコでも、注文住宅を数多くお受けした実績があり、おかげさまで大変ご好評をいただいています。家づくりでお困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。