カテゴリ: 家づくりのコツとアイデア

ペットと暮らす家づくりのポイントとは?快適に暮らせる間取りのヒントを解説します

ペットと一緒に暮らす家を考えるとき、どのような間取りや設備が必要になるのか、悩む方も多いのではないでしょうか。ペットは大切な家族の一員です。快適に過ごせる住まいをつくることは、ペットにとっても飼い主にとっても重要なテーマです。

今回は、ペットと暮らす家づくりに役立つポイントを解説します。特に注文住宅を検討している方にとって、設計の参考になる内容をまとめましたのでぜひ最後までご覧ください。

こちらの記事で掲載している住宅の画像はすべてアオイノハコがデザインいたしました。気になるデザインがございましたらお気軽にご相談ください。

ペットの種類別に考える家づくりの工夫

ペットの種類やサイズにより、必要な工夫は異なります。それぞれの特性に合った住まいを考えることが大切です。

小型犬・中型犬の場合

小型犬や中型犬は、室内で過ごす時間が長い傾向があります。そのため、床材は特に滑りにくいものを選びましょう。滑りやすい床は、足腰に負担をかけ、腰痛やケガの原因にもなります。また、段差をできるだけ少なくすることで、関節の負担を軽減できます。さらに、窓際に外を眺められるスペースを設けると、犬のストレス軽減に役立つでしょう。

大型犬の場合

大型犬は運動量が多いため、広いスペースが必要です。リビングや廊下を広めに設計し、自由に動き回れる環境を整えましょう。泥汚れを防ぐために、玄関近くにシャワースペースを設置するのもおすすめです。また、丈夫で傷がつきにくい素材を床や壁に採用すると長持ちします。

猫の場合

猫は高い場所を好む習性があります。そのため、キャットウォークや棚を設置することで、上下運動を楽しめる空間を作りましょう。また、日向ぼっこができる窓辺のスペースは、猫にとってリラックスできる場所となります。爪とぎ対策として、壁の一部に傷防止加工がされた壁紙を取り入れるのも良いアイデアです。

快適な間取りを作るためのヒント

ここからはペットに優しい間取りをつくるためのヒントをご紹介します。

ペットのための最適な動線

ペットが快適に動き回れるよう、動線を工夫することが大切です。リビングやキッチンを中心に回遊できる間取りを採用すれば、ペットがストレスなく移動できます。

また、動線のどこかにペット用の専用スペースを設けることで、安心して休める場所を確保できます。

いたずら防止のために、食品を保管するパントリーや、貴重品の保管場所にはドアを設置するなど、ペットが入れないようにする工夫も必要になります。

室温を快適に保つ工夫

ペットは室温の変化に敏感です。エアコンが効率的に機能する間取りになるよう、設計者に相談しましょう。夏の暑さ対策として遮熱フィルムや断熱材を使うほか、床暖房を取り入れることで冬場の寒さも軽減できます。特に猛暑になれば、室内にいても熱中症はおきてしまいます。

以下に暑さに弱いペットの種類をまとめました。エアコンと併せて様々な設備を使用することで、一年を通じて快適な室温を維持しましょう。

暑さに弱い犬種と猫種の一覧

種類 特徴
犬種 短頭種(短鼻種) フレンチブルドッグ、パグ、シーズー
厚い被毛を持つ犬種 シベリアンハスキー、サモエド
小型犬の一部 チワワ、ヨークシャーテリア
猫種 短頭種(短鼻種) ペルシャ、エキゾチックショートヘア
長毛種 メインクーン、サイベリアン
丸みを帯びた体型の猫種 ブリティッシュショートヘア、スコティッシュフォールド

家事をしながらもペットの気配を感じられるか

キッチンからリビングが見渡せる対面キッチンは、家事をしている間もペットの様子を確認できる便利な設計です。また、室内窓を設ければ、別々の部屋にいてもお互いの存在を感じられる空間になります。

たとえばペットが寝ているところを見るのは、飼い主も穏やかな気持ちになるものです。また、ペットの異変にすぐ気がつくようにするためにも、ペットの気配が感じられる間取りは大切な要素です。

一時的にペットから離れられる仕事部屋や作業部屋をつくる

たとえばリモートワークなど、家で作業をする際にペットがそばにいると集中が難しい場合があります。また趣味で集めている小物や部品などをペットが誤飲するかもしれません。

そんなときのために、ペットが入れない専用の仕事部屋や作業部屋を設けると良いでしょう。静かで落ち着いた環境が整うことで、仕事や趣味に集中できます。

一時的にペットから離れる部屋をつくることで、作業が捗り、ペットを危険から守るメリットがあります。

ペットのために知っておきたいポイント

ノンスリップの床材にする

ペットが滑らないよう、床材にはノンスリップ加工が施されたものを選びましょう。専用の防滑フロアコーティングを後から施工することもできます。

高齢のペットや足腰に負担をかけたくない飼い主にとって、滑りにくい床材は必須です。ペットが走り回ったりジャンプしたりしても安全な環境を作れるため、ケガのリスクを減らせます。

ニオイや汚れ対策をする

ペット用のトイレ周辺や食事スペースには、防臭や撥水効果のある素材を採用しましょう。特に、トイレまわりは清潔を保つために、掃除しやすい材質が適しています。また、壁や床を汚れが目立ちにくい色合いにすると掃除が楽になります。

適切な消臭剤や空気清浄機を併用することで、室内の快適さを保つ工夫をするとさらに効果的です。近くに空気清浄機が設置できるよう、コンセントの位置にも注意しましょう。

ひっかき傷に備える

猫や犬の爪による傷から家具や壁、柱を守るために、傷がつきにくい素材を使用するのがおすすめです。

例えば、壁紙ではなく塗り壁を選ぶ、または耐久性の高いフローリングを使用すると、長くきれいな状態を保てます。壁紙であれば、最近は傷に強い製品も販売されています。

また、爪とぎ専用のスペースを設けることで、ペットが家具を傷つけるリスクを減らせます。ペットの習性を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

防音対策をする

ペットの鳴き声や足音が外に漏れないよう、防音仕様の窓や壁材を採用することも大切です。近隣への配慮として防音対策を取り入れることで、安心してペットと暮らせる環境を整えられます。

防音カーペットや遮音カーテンを併用することで、さらに効果を高めることが可能です。静かな環境はペットのストレス軽減にもつながるのでおすすめです。

西日の暑さに気を付ける

特に夏場の西日は人間でもつらいものです。短鼻種の犬や猫は暑さに弱く、西日が強い部屋にいると室内でも熱中症になる可能性があります。そこで西日が差し込む部屋には遮熱カーテンやブラインドを取り付けることを検討しましょう。

また、涼しいスペースを確保しておくと安心です。遮光フィルムやエアコンを活用することで、ペットが快適に過ごせる空間を作ることができます。いつでも新鮮な水が飲めるように設置場所を工夫しましょう。

まとめ

 

ペットと暮らす家づくりでは、ペットの種類や生活スタイルに合わせた間取りや設備が重要です。滑りにくい床材、暑さや防音の対策など、細部まで配慮することで、ペットも飼い主も快適に暮らせる家が実現します。

さらに、ペットの健康や安全を考慮した設計は、ペットはもちろん、飼い主の安心にもつながるため、大きなメリットとなります。適切な設備や工夫を取り入れることで、ペットと共に過ごす時間がより充実したものとなるでしょう。

ぜひ、これらのポイントを参考に、ペットと暮らす理想の住まいづくりをイメージしてみてください。